2014年 映画ベスト5

 2014年の映画ベスト5を発表します!!

2014年も終わりましたが、
色々とまとめて振り返りたいのですが、
まずは映画について振り返って
ベスト5を選出したいと思います。

僕が2014年1年間で観た映画の総数は440本で、
これは、劇場、DVDなど全て含んだ数になります。
新作、旧作含めたくさんのいい映画に出会えました。

2014年に日本で劇場公開された映画の中から選出します。
今年は、忙しくて見たくて見れなかった作品が多いのですが、
このベスト5は自信を持ってオススメする映画です。

それでは、早速ランキングです。

1位 6歳の僕が大人になるまで

2位 ショートターム

3位 アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜

4位 ゴーンガール

5位 マシュー・マコノヒー

いや〜本当に良い映画ばかりでした。
邦画は1つも入らずでした。
それでは5位から順番に選出の理由を述べていきます。

5位 マシュー・マコノヒー

え?人じゃん!!
すみません。作品でいうと、ダラスバイヤーズ・クラブです。
ただ、他にも素晴らしい出演作品が多く
この名前を挙げました。
他には主演のインターステラーでの父親の演技もよく、
特筆したいのは、
ウルフ・オブ・ストリートでのマコノヒーです。
出演は1シーンだけで短いのですが、
圧倒的な存在感が発揮されています。

それで、5位はダラスバイヤーズ・クラブということなのですが、
ジャレット・レトがまた素晴らしいです。
この作品でアカデミー賞で助演男優賞を受賞しているのですが、
ジャレット・レトの輝きで5位に選出しています。
作品の内容は、事実を基にしたものなのですが、
それとは関係無しに
こんな人がいて、こんな生き方をした人がいるんだと思えます。
映画は、その話が事実かどうかどうかというのは観てる人にとってどうでもよくて、
その話をリアルに感じられるか、本当にあるかもなと思わせることができるかどうかが重要で、
それによって観ている人が自分との距離を感じることができて心が震えるかが決まります。

ダラスバイヤーズ・クラブでは、
マシュー・マコノヒー、ジャレット・レトに僕は震えました。

より一層マコノヒーのすごさを知るには、
挙げた3作品見るといいと思います!!

4位 ゴーンガール

この映画は、サスペンス映画ではありません。

これがこの映画の最もスゴいところです。
最初にサスペンス映画だと思ってみていたら、
一番最後のところではサスペンス映画じゃなかくなります。

正確にはサスペンスだけじゃなかったとなります。

まずは、サスペンスの部分だけでも一級の展開が用意されていて、
これがこうなるの?そんな方法でこれを乗り切っちゃうの??
と、まず展開がすごいです。

サスペンスでは、そんな都合のいいことあるか?
と観ていて思ったらその瞬間から映画から離れてしまいますが、
ゴーンガールでは最後まで説得力を保たせたまま話が進んでいきます。
この構成力がすごいです。

そして、最後の部分なのですが、
登場人物の一人がそんな状況ありえないよという内容を口にするのですが、
その言葉通り異常な状況になります。
でも、納得させられる説得力がそこにはあって、
観ている人が頭を抱えます。

最初のオープニングと最後のカットでつながるところがあるのですが、
最初に感じたあれ?何かおかしい気がするという違和感があるのですが、
それが解消されたときにぞくっとします。

カップルで見ない方がいいとこの映画は言われていますが、
この映画はみたら語りたくなる映画なので、
1人よりも2人で観た方がいいと思います。
カップルで観た方がいいです!!観ろ!!

2014年のエンターテイメントとして最も優れた作品でした。

3位 アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜

この映画はとにかく登場人物が魅力的で愛おしいです。

主人公、主人公の家族、友達、同僚一人一人あげればきりがないくらいなのですが、
一人挙げるなら、デズモンドおじさん!!ではなく、やはり、ヒロインのメアリー。

レイチェル・マクアダムス演じるメアリーがとにかく可愛いです。
最初の登場シーンから、笑顔が素敵すぎて魅了されっぱなしでした。
今年の映画の中で最もチャーミングでした。

内容としては、
タイムスリップのできる力をもった主人公の話なのですが、
SF映画というわけではなくて、
人生を楽しむための映画で
監督も、“How to be happy”というメッセージを込めていると言っています。

最初に、タイムスリップを学ぶときに父親から主人公が言われます。
お金のためにこの力を使うのではなく、
人生をゆたかにするために使いなさない

正確なセリフは覚えていないので多少違いますが、
この言葉を胸に、主人公が奮闘します。

最初は、どうにか彼女を作れないかと初恋の成就に挑んだりしていくのですが、
能力の使い方が基本的に、失敗を変えようというものなので、
応援したくなります。

とはいえ、
日本的な感覚で言うと、
そんな言葉言えちゃうんだってことをあっさり言えたりもするので、
ドラえもんののびた君かと思ったら、
少女マンガの主人公だったりします。
かわいいマヌケづらしてるなと思っていたら
とても素敵でかっこいいお兄ちゃんだったりします。

そんな主人公ティムにも魅了されます。

この映画は最終的に、こうしたらこんなにも素敵に過ごせるんだよ。
というものを提示してくるのですが、
その結論がまったくもって嫌みではなく、
素直にそう生きてみようと思えます。

こんなに素晴らしい映画を作ったリチャード・カーティスが、
残念ながらこの映画をもって監督を引退するのですが
納得できます。
何度でもこの素晴らしい映画をみればいいと思います。

この映画は2014年観た映画の中で一番スッキリした映画です。
生きるって素晴らしいというありふれた言葉を
説得力をもって届かせることのできる映画です。

2位 ショートターム

この映画はティーンエイジャーのグループホームを舞台にしていて
色んなものが詰まっているのですが、
特筆すべきは会話です。

1つ1つの会話がとても素敵です。

冒頭の1シーンの会話だけで、
グレイスとメイソンが好きになりました。
映画の登場人物を最も早く好きになった映画だと思います。

色んな問題を抱えている子供たちが出てくるのですが、
その子供とケアマネージャーとの会話の一つ一つがとても素敵です。

素敵といいながらも、言葉は汚い言葉も多く、
綺麗な言葉ではないのですが、
返答の言葉の選び方のセンスが群を抜いています。

問題を抱えた子供が大人を困らせようとして、
自分の境遇を嘆いた皮肉を言ったり、行動を起こす。
普通なら、返答に困って黙るか
そんなこと言わないで、と慰めたり、しかったりする。

そんなときに、グレイスやメイソンは相手を認めつつ
ユーモアで返していく。
何か言葉をひねり出して、応えるのではなく、
自然と答えていく。
その会話が洗練されていて
子供達と信頼を築くことを納得することができる。

 

3位のアバウト・タイムもウィットに富んだ会話があって、
楽しむためのユーモアがたっぷりなのですが、
それとは違ったユーモアがここにはあります。

脚本の会話の部分が2014年最も良かったです。

こんな言葉を返せたら、冗談を言えたらと

1位 6歳の僕が大人になるまで

この映画は映画の歴史に残る映画です。

まず撮影の手法が同じ役者で12年間かけて撮影するという
とんでもない方法が使われております。

小さくて天使のようにかわいかった子供が、
ヒゲを生やして女の子と交際するようになります。

それだけの撮影期間をかけて映画を製作するというのだけでも
奇跡に近いのですが、
映画の中身がまたさらにとんでもなくすごいのです。

起承転結のあるような展開が明示されるいわゆる映画らしい映画ではなく、
ただ、ただ流れていく映画です。

時間の経過というのは、
人生を歩むにあたって避けては通れない部分で、
そのテーマをここまで真正面にとらえている作品はみたことがない。

息子の旅立ちの母親との会話のシーンがとても印象的で、
今、自分が実感できることじゃないけれども、
母親の嘆きが胸にくる。
「なんでこんなに短いの。もっと長いと思っていた」

また、この映画が普通と違うのが伏線というものが一切ない。
ただただ、1つ1つの出来事として描かれていく。
普通に生きる人生と同じく、ドラマチックな再会がない。
度々、あれ?どうなったの?と思うが、
一度別れた相手と再会することがない。
最初は普段見慣れている映画と違うので、
あれ?おかしいなと思う。
普通であればメインの登場人物には見せ場や山場が用意されているのだけれども、
そういうことがなく、気を抜くと時間が流れていってしまう。
時間の経過をみせつけていく。

こうしたものを成立させているのが、
最初に言った同じ出演者で12年間かけて撮影するという方法によるものである。
同じ脚本だとしても、キャストを変えたり、特殊メイクなどをおこなっていたとしたら、
響くものになっていなかったと思う。

あと、この映画で特に新鮮だったのが、
時間の捉え方である。
最後のシーンの会話で主人公のメイソンがあっさりと答えているのだけれども
12年間の歳月、160分という映画の長さが集約されている。

こんなものはもう二度と作れないと思う。

オマケ

邦画を1つ紹介しておきます。

大人ドロップ

この映画は、邦画で2014年最も好きな映画でした。

今までに色んな青春映画があったけれども、
この酸っぱさは味わったことがなかった。

完成度という点でみると、
ランキングに挙げた5位には全くかなわないし、
例えば海辺のシーンでかなりの強風の中撮影が行われていて、
ここまで撮影条件が悪い撮影はみたことがなく少し笑ってしまうぐらいで、
映画とは別の点が気になったりするのだけれども、
それでも好きになった。

好きって何なの?
それ本当に好きなの?
好きな相手って誰なの?
という高校生の感覚がとても良い。

池松壮亮、前野朋哉の男の2人組がさわやかではないけども、清々しい。

橋本愛、小林涼子の2人は女子高生2人組史上最もかわいい。

その4人のキャストの会話がとても羨ましく、
邦画では珍しくくだらない内容がおもしろい。

そして、ラストのシーンも良い。
とてもドラマチックな状況でのセリフがいい。
青春ってこういうものだよねというものがいい。

個人的には、女性が好きな映画でこの映画を挙げたら
それだけでその女性を好きになるレベルである。

この映画もオススメです。

いやぁ、映画って本当にいいもんですね~ by 水野晴郎

映画おもしろいなっていうことを
2015年はもっと色んな人と話したいですね。

そういえば、2014年は素晴らしい役者が数多く亡くなってしまって、
とても悲しい年でした。

さよなら、さよなら、さよなら by 淀川長治